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災害支援活動報告

岩手県立宮古病院ER業務支援

米満尚史

 東日本大震災以後、岩手県立宮古病院に対する関西地方公立病院からの診療支援のため医師派遣が継続的に行われていましたが、この一環として今回2012年1月30日~2月3日の期間、ER業務支援のため当院第1内科医師とともに救急集中治療部医師が派遣されました。

 宮古病院は岩手県の(三陸)沿岸地域に位置し、周辺10万人規模の地域医療を一手に引き受けてきた中核病院ですが、震災以降は周辺病院の入院病床縮小・閉鎖などの影響でさらに地域中核病院としての重責が大きくなったようです。岩手医科大学附属病院など主要な3次医療施設のある盛岡市までは陸路搬送で約2時間を要し、宮古病院で対応困難な重症症例(緊急PCIが必要なAMIなど)は2時間かけての陸路搬送か、防災ヘリでの空路搬送をしているようです。

 主に救急車搬送症例の受け入れを担当しましたが、1日だいたい6~7症例、多ければ10症例近くを収容しました(うち入院症例は2~3症例/日)。救急車搬送以外の時間外受診症例の初診対応も行いました。30~40分以上の搬送時間を要する救急車も多く、周辺病院が震災後に入院病床縮小・閉鎖せざるを得ない状況にあるため、対応困難な救急症例が全て宮古病院へ集積してきている印象でした。常勤の先生方は定期の外来・病棟業務で手一杯で一人あたりの負担がかなり大きい現状であり、ERでの救急車対応(と内科医師による新患外来支援)により、少しでも負担軽減ができればと思いました。

 降雪・積雪に関しては、岩手県沿岸地域は山岳地域よりも少ないとのことでしたが、関西地方と比べるとやはり気温低下が著しく(特に夜と早朝)、寒波の時期も重なり、東北地方の冬の寒さが身に染みました。宮古市内には仮設住宅が散在しており、これら仮設住宅居住者を含め、震災後の著しい環境変化に関連した急性疾病・慢性病態増悪の救急車搬送依頼も目にしました。

 津波による水害をうけた港や沿岸部を見せていただきましたが、10m近い堤防があったにも関わらず、それ以上の津波であったため家屋などは全壊を免れ得なかったようです。被害の様相を聞くうち、津波被害に関しては、被害を想定しての「備え」も大変重要ですが、想定以上がやってくるかもしれないという「想像力」と、何が何でも「逃げる」ということが、生死を分けるのかもしれない、と感じました。近いうち(東)南海大地震発生を想定している和歌山県としては、学ぶべき点が数多くありました。

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