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災害支援活動報告

紀伊半島紀南地方台風12号災害DMAT活動

島 幸宏

 2011年9月はじめに紀伊水道を通過した台風12号によって紀伊半島は数日のうちに千数百ミリの雨量に達し、多大なる被害をもたらしました。

 9月5日午前に和歌山県立医科大学附属病院ではDMATチームの派遣が検討され、同日午前11時に重症患者対応のため那智勝浦町立温泉病院に派遣が決定しました。先発隊として医師1名(島)と看護師1名・事務員1名が午前11時5分にドクターヘリで当院を離陸しました。現地は固定電話が不通のため119番などの緊急通報や病院への連絡も難しい状態でした。現地病院の外来は混乱しているわけではなく、病院医師が的確に対応していました。我々は病院支援の需要は予想よりも少ないと判断し、さらに詳細な災害状況を把握するため役場・消防本部を訪れました。その後、消防の指揮下に入り捜索場所近くまで移動し傷病者発生に備えましたが1名の内科疾患患者が山中から自衛隊により搬出され、診察・救急搬送したのみでした。

 同日(9/5)夕方には南和歌山医療センターDMAT隊3名も合流し、後続の和歌山県立医大DMAT隊2名も那智勝浦町立温泉病院に待機し統括DMATであった島が2隊を統括しました。現地に詳しい南和歌山医療センター救命救急科の統括DMAT川崎医師と県庁DMAT調整本部の統括DMAT岩崎医師と協議し、活動範囲を和歌山県南部とし、被災状況・医療のニーズを調査し活動を行いました。その結果、新宮市熊野川町は約3000人が孤立している事が判明しました。電気・水道・固定電話のみならず携帯電話も不通で唯一の診療所は洪水のため診療は行えない状況でした。緊急に医療を提供する必要があると判断し、和歌山県立医大の医師1名・看護師2名・事務員1名を翌9月6日早朝からドクターヘリで派遣しました。現地からは衛星電話で仮設診療所を開設するとの連絡を受けました。必要な物品は県庁・和歌山県立医大・和歌山県防災航空隊・自衛隊の迅速な対応のおかげで搬入され、午後には仮設診療所を開設できました。2日間の仮設診療所と避難所の巡回で20数名の診療を行い、ドクターヘリで2名搬送しました。

 9月6日に後続のDMATに医療を引き継ぎ、後方支援である現地統括業務を保健所長に委託し熊野川に継続した医療を提供できました。

 3月11日の東日本大震災を経験した後であったこともあり災害早期に迅速な対応を取ることができました。DMATが地域の消防と連携することで柔軟かつ迅速に対応することができたと考えます。

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