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災害支援活動報告

福島医科大学・緊急被ばく医療班

山添真志

 2011年3月11日に発生した東日本大震災で地震と津波による被害を受けた東京電力福島第一原子力発電所では、全電源を喪失し原子炉を冷却できなくなり、大量の放射性物質の漏洩を伴う重大な原子力事故に発展しました。

 福島第一原発では2000 人を越す作業員が昼夜を問わず懸命な復旧作業を続けており、万一、作業員が被ばく汚染と重症外傷を重複受傷した場合に備え24時間体制で対応する必要がありました。被ばく医療と重症外傷医療を同時に行える原発直近の施設は唯一、福島県立医科大学附属病院のみでしたが、被災者でもある福島県立医大の人員のみでは対応困難が予想され、3月18日に福島県立医大・救急科より全国の救命救急センターへ支援要請されました。

 翌3月19日、全国で唯一、和歌山県立医科大学附属病院・救急集中治療部が支援を決定し、3月20日から継続的に救急集中治療部医師1名を派遣、福島県立医大救急科・放射線科医師と看護師・放射線技師・長崎大REMAT(緊急被ばく医療チーム)と共に、福島県立医大緊急被ばく医療班の一員として従事することとなりました。

<派遣医師>
 3/20~3/26 岩崎安博、3/25~3/30 島 幸宏、4/1 ~4/7 上田健太郎、4/8 ~4/14 山添真志、4/15~4/21 米満尚史、4/22~4/28 宮本 選、4/29~5/3 岩崎安博、5/4 ~5/8 中 敏夫、5/9 ~5/15 川副 友、5/16~5/22 島 幸宏、5/23~5/28 山添真志

 福島医大・緊急被ばく医療棟での主な任務は、重症外傷と同時に被ばく・汚染を伴った傷病者への救急対応で、3月24日には実際に汚染水で被ばくした作業員の診療を行いました(岩﨑安博医師)。

 日々刻々と変化する原発の状況を把握するため、福島県庁に設営されたオフサイトセンター(福島県福島市)や作業員の最前線基地であるJヴィレッジ(福島県楢葉町)、放射線総合医学研究所(千葉県)などとWeb会議を行い、自衛隊・日本原子力研究開発機構(JAEA)などの協力の元、誰も体験したことのない被ばく重症外傷症例に対する搬送・診療シミュレーションを繰り返し行い、マニュアル作りにも参加させて頂きました。

 和歌山県立医大から福島県立医大への支援は約2ヶ月間継続され、期間中幸いにも大規模な災害は発生しませんでしたが、我々としても貴重な経験を積むことができたと考えています。

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