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ドクターヘリ

ドクターヘリとは

 和歌山県ドクターヘリコプターは2003年、3県(和歌山県・奈良県・三重県)合同運用や新生児・母体搬送、消防無線搭載など当時全国初の先駆的な試みとともに、全国で7番目に運航開始(国公立大学病院では初めて導入)され、専ら当救命救急センター医師がフライトドクターとして搭乗しています。奈良県南部・三重県南部も含めた広い紀伊半島をカバーするために、通常の基地病院を中心とした半径50km圏ではなく、行政の枠組みを超えて当初から半径100km圏の広域を運航範囲としていたことも特徴です。さらに2009年からは、大阪府ドクターヘリ・徳島県防災ヘリ(2012年〜徳島県ドクターヘリ)と相互応援協定を締結し、広域運航の影響による各機出動中の要請重複に対応しています。

和歌山県ドクヘリ運航範囲

 機体はEC135という小型で機動性の高い機種で、山間部が多く平野の少ない和歌山県に適したものです。出動件数は年々増加し2011年は年間出動件数が400件を超え、総出動件数は2011年末で3,000件を超えました。その内訳は出動形態からみると、現場出動(事故や疾病発生現場から、消防機関からの直接要請による出動)が75%と大部分を占めます。疾患内訳では現場出動では外傷が60%以上で最多、次に多いのが脳血管障害などの中枢神経疾患、次いで心筋梗塞などの循環器疾患という状況です。

 ドクターヘリは地形特性や交通事情にとらわれない迅速な傷病者搬送手段であるだけでなく、救急現場に医師・看護師を送ることで救命処置開始を格段に早め、Preventable Death(適切な医療を早期に受けられれば、避けられた可能性のある死亡)を回避することが最大の目的です。和歌山県ドクターヘリは運航開始時からこの理念に基づき、現場で必要な救命処置は躊躇することなく実施してきました。気管挿管や人工呼吸を実施した症例は388例、緊張性気胸や血胸に対する胸腔ドレナージ実施は89例、その他現場でのFASTや輪状甲状靱帯切開、心嚢穿刺・開胸心マッサージも必要があれば実施しています。

 2011年9月の台風12号による紀伊半島紀南地方での災害時には、ドクターヘリを使用した被災地へのDMAT早期投入や、土砂崩れで孤立した集落への20回以上のドクターヘリ出動により、効果的な救援活動が行えました。

 現場で早期の救命処置を行い安全に患者さんを搬送するため、機内に人工呼吸器・ペーシング機能付き除細動器・吸引器・携帯エコーなどを搭載しています。これらの装備を駆使し、現場では限られた人員(フライトドクター・ナース各1名と現場救急隊員)で救命・災害医療を行う和歌山県ドクターヘリは、常に救急医療の最前線で活動しています。

 今後は、都市部・高速道路でのドクターヘリ運用、日没前後の限られた時間での運用、災害医療における航空搬送体制の確立、隣県ヘリとの連携体制構築などをさらに推進し、より多くの若い救急医療を志す医師とともに実現していこうと考えています。救急集中治療部ではフライトドクターとなるための研修プログラムも用意しており、ICU/ERでの迅速判断・緊急処置トレーニングを基礎にACLS・JATECなどの標準化診療習得とフライト実地訓練を積むことで、様々な救命処置を要する現場傷病者に対応可能となる修練を受けることができます。

 当院ドクターヘリスタッフは原則的に運航スタッフ(操縦士・整備士)とフライトドクター1名・フライトナース1名で構成されており、実地訓練(On the Job Training; OJT)中のフライトドクター/ナースや新生児/母体(病院間)搬送時に小児科/産科医師が同乗することがあります。

フライトドクター 岩﨑安博 島 幸宏 木田真紀 山添真志 上田健太郎 米満尚史 川副 友
宮本恭兵 柴田尚明 中島 強 田中真生 川嶋秀治 麦生田百代 安田真人
酒谷佳世
フライトナース 髙野裕子 小林育代 川口素直 小西香衣 穴井聖二
岩本昌規 川乗有加 波元裕也 紙屋侑平 生駒雄太郎 筒井勇貴
運航スタッフ
(ヒラタ学園)
操縦士
辻本博史 福長秀人 森田裕士 玉置利成
整備士
西原弘行 福地貴士 原田 誠 吉村圭次 竹内 茂 上田 仁
運航管理士(Communication Specialist;CS)
福元良充 眞鍋 聖 㔟 義人 楢崎陽一

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ドクターヘリフライト実績

出動件数内訳推移

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
総件数 235 308 374 338 373 373 393 375 416 3185
現場直近 5 9 16 21 24 4 8 8 16 111
現場ランデブー 120 192 242 225 262 272 273 273 304 2163
施設間搬送 105 102 110 83 76 87 100 89 76 828
出動後キャンセル 5 5 6 9 11 10 12 5 20 83

2011年 全出動における傷病分類内訳

外因性 214
内因性 182
災害対応 4
外因性(214名)内訳
外傷 190
熱傷 5
溺水 8
中毒 4
その他 7
合計 214
内因性(182名)内訳
心血管疾患 43
中枢神経疾患 72
呼吸器疾患 11
消化器疾患 15
母体搬送 6
その他 35
合計 182

2011年 出動処置件数

  現場 施設間
気管挿管 40 5
輪状甲状靭帯穿刺 1 1
急速輸液 40 2
50%ブドウ糖液 5 0
薬剤投与 61 12
超音波検査(エコー) 123 1
胸腔ドレナージ 10 0
心嚢穿刺 1 0
経皮膚ペーシング 2 0

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