教育・研修Education

第1回医局説明会(2024.4.20)

高度救命救急センター紹介ポスター
(2024.2.10 EMAジョブフェア@名古屋)

  • 研修理念

    当センター研修の 基本理念です

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  • 救急医研修プログラム

    さまざまなプログラムの紹介

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  • サブスペシャリティ研修

    各種専門技能習得について

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  • 見学案内

    見学申し込みフォーム

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:: off the job

臨床現場を離れた場での教育(Off the Job Training)として、BLS/ACLS(心肺蘇生)・JPTEC/JATEC(外傷診療)・ISLS(神経蘇生)などの標準化診療コースを和歌山県内で開催しています。県内各消防本部の救命士さんたちとともに、当救命救急センター医師・看護師もインストラクターとして参加しています。

  • BLS/ACLS

    日本循環器学会(JCS) の近畿支部BLSコース・ACLSコースを随時開催しています。

    日本循環器学会(JCS)へ
  • JPTEC/JATEC

    病院前外傷観察・処置プログラムJPTECや、外傷初期診療ガイドラインJATECのコース開催により、和歌山県を含む日本全体の外傷診療レベルアップを図っています。

研修理念Idea

急変にも焦らない,

しっかりとした医師の土台を作る!

 医師として患者の急変に遭遇したときに迅速・適切な判断と処置ができるだろうか?その瞬間の判断や治療が患者の予後を大きく左右することが実際にあります。普段から急変の対応になれた医師は多くなく,焦ってしまいがちで現場も混沌とすることがあります。そんなときにリーダーシップを発揮し,迅速かつ適切な対応ができる医師を目指してみませんか?

 当救命救急センターでは内科系・外科系を問わず様々な急性内因性疾患に対応し,重症患者においては他の専門各科の医師とも協力して治療を行っております。また,ドクターヘリによる重症患者搬送や重症外傷の治療も経験することができ,1次〜3次までの様々な経験を積むことが可能です。

 もし志す医師像が救急医や集中治療医でなくとも,当センターで数年修練することは決して無駄なことではなく,ここで経験したことが必ず医師としての土台と幅を押し広げると考えます。この土台と幅が広くしっかりしてさえいれば、専門技能習得後により良い医療を提供できる医師になると思います。

 このような基本理念を元に、当救命救急センターではサブスペシャリティ習得も含めた様々な研修プログラム を用意しています。明確な医師将来像の有無に関わらず、個々に応じた柔軟な研修ができるよう相談に応じます。

一緒に働きませんか?

 当救命救急センターでは、ともに救急医療・地域医療を実践するための仲間を随時募集中です。
 救急医療に携わりたい、ドクターヘリに乗りたい、ICUで集中治療管理を勉強したい、医師基本技能の修練目的のとりあえずの後期臨床研修、総合診療医となるための土台作りなど、理由・目的は何でも構いません。

救急医研修プログラムProgram

  • 救急医療は医療の原点であり、医師としての基本スキルです!

     救急医療の現場では患者さんの訴えや状態から即座に医療の必要性を判断し、生命や身体機能を維持するための適切な処置を行う必要があります。

     当院は高度救命救急センターとしてショックや重症外傷などの重症患者対応のみならず、肺炎や心筋梗塞など急性期内科疾患、脳卒中など幅広く1次〜3次まで対応しており、そのためには幅広い知識や技術の習得が不可欠です。

    当科研修プログラムの目的は、『国民に良質で安心な標準的医療を提供できる』救急科専門医を育成することです。

    当院の特徴として救急外来のみならず集中治療室や一般病棟の管理を一貫して行うことで病態生理をより深く把握することができ、救急医の基礎を築いていくことができます。

  • クリティカルケア研修(基幹研修施設 12ヵ月) ER研修(基幹研修施設 6ヵ月から12ヵ月)
    • クリティカルケア及びER研修(連携施設 6ヵ月)
    • 地域救急医療研修(6ヵ月)

体験談01experience

魅力いっぱいの和歌山研修を終えて石丸 裕登

 2023年4月から後期研修3年目の9ヶ月間、研修させて頂きました。和歌山県立医科大学附属病院(和医大)救命センターは大きくER、HCU、ICUの3部門からなっており、私は主にERで研修をさせて頂きました。和医大救命センターの最大の魅力はやはり、症例数の多さだと思います。救急外来では、ウォークインの患者からドクターヘリでの重症外傷・重症の転院搬送など、救急医として一度は経験しておくべき様々な症例を9ヶ月の間に経験出来ました。和歌山には山間部が多いこともあり、ヘリの出動件数も多く、私自身も様々な重症患者のプレホスピタル診療を経験することができました。また入院後の診療では、他科との連携もスムーズで、最先端の知識を各科の先生達から吸収することができます。様々な症例を経験したい、その症例の中で自分の目指すべき救急医のあり方を探したいという方は是非和医大救命センターに足を運んでみて下さい。

 また症例が多いと疲弊しそうですが、On – Offもはっきりしていて、マラソンを一緒に走ったり、和歌山の美味しいご飯を食べたりなど、スタッフの方々も非常にフレンドリーで、公私共々に充実した研修を送ることが出来ました。9ヶ月という非常に短い期間ではありましたが、和医大救命センターで学んだことを活かして今後も頑張って行きたいと思います。

体験談02experience

和歌山医大での研修を終えて小谷 蒔生

 救急科後期研修医3年目、10-12月の3ヶ月間、和歌山県立医科大学病院 救急集中治療部で研修させていただきました。きっかけは、以前、和医大救急にいた上級医からの「和歌山で集中治療の勉強してきたらいいんちゃうかなぁ」という一言。「確かに、なかなか遠くの病院まで研修って機会ないし」くらいの気持ちで決めましたが、結果として、非常に楽しく、勉強になり、充実した研修でした。

 集中治療を勉強するため、ICUでの研修となりました。和医大病院は県内最大の総合病院ですが、そのClosed ICUは10床のみ。ERからの入院も、術後も、院内急変をも対応しており、非常に重症度は高く症例も多彩でした。個人的には、小児を含む心臓血管外科の術前術後、膠原病関連の重症例などは特に経験がなく、とても勉強になりました。IMPELLA、IABPなどの機械的補助循環についても自分では扱った経験がなかったのですが、参考書を読みつつ教えていただきました。

 また何より有り難かったのは救急集中治療部の雰囲気でした。教授の井上先生、秘書の山口さんを始め、みなさんが外部から来た私のことも「もう仲間だから」と言って、飲み会や医局のイベントなどに誘ってくださったので、楽しく過ごせました。良くしていただいて感謝しています。 ありがとうございました。和医大での研修とってもオススメ、むしろまた行きたいくらいです。私の後輩たちもよろしくお願いいたします。

サブスペシャリティ研修Sub-specialty

 ドクターヘリ搬送も含めた救急医・集中治療医としての修練・キャリアを積みながら、
以下のような専門技能をサブスペシャリティとして選択することができます。
救急集中治療の基本技能に専門技能が加わり両輪となることで、相乗的に医師としてのスキルアップが可能です。
以下に主な研修の例を挙げます。

外科研修Surgery

  • 近年、緊急手術対応が可能な病院は減少している。当センターは重症外傷手術と急性腹症などの内因性緊急手術を24時間対応しており,年々手術症例が増加している。そのため,若手Acute Care Surgeonの育成を最重要課題となってきている。

    <当センターAcute Care Surgeonによる手術業績> 当施設は自己完結型の高度救命救急センターであり、専従医である救急外科スタッフ(Acute Care Surgeon;以下ACSn)による24時間365日のオンコール体制下、2022年4月時点では当センター所属専従医4名+当大学第2外科からの出向1名で体幹部外傷・急性腹症等の手術(写真1,2)に対応しています。また各スタッフは、週1回外勤として一般病院外科(表1)で定期手術に従事しています。
    当センターでのACSによる手術件数は、グラフ1に示すように2005年頃は100件前後でしたが、年々増加傾向にあり2011年以降は200件を超えました。その後も増加を続け2020年は最多の300件越えとなりましたが、2021年はコロナ禍の影響のためか268件と減少しました。外傷手術は全国的には減少傾向ですが、グラフ2に示すように当センターではドクターヘリ効果で集約化がなされており年間40件前後を維持しています。また近年、緊急手術必要とする急性腹症の症例も和歌山県全体から当センターに搬送されてくるために急増しています。一方で2009年から救急外科スタッフは、平均4名であり増員されず各自の負担が急増しています。そんな中当センターACSnによる治療レベルの維持・改善には若手Acute Care Surgeonの育成が急務であり、まさに全力で取り組んでいる真っ只中です。

    <Acute Care Surgeon修練プログラム> サブスペシャリティ研修として、外科(Acute Care Surgery)を選択して頂いた先生の、新専門医制度下におけるダブルボード取得パターンを表2に示します。Aパターンは、まず初期研修終了後の1年間(卒後3年目)は当院高度救命救急センターで救急科専門医プログラムを開始し、救急集中治療を学びながら緊急手術に可能な限り参加してもらい、緊急手術の適応・手術手技の基礎・術後集中治療管理を学んでもらいます。その後一旦救急科専門医プログラムは中断し、本人の希望を踏まえた上で当大学あるいは他大学の外科専門医プログラムに参加し3年間で完遂します。その後7年目からは当センターにスタッフとして復帰してもらい、救急集中治療の一線で勤務するのと同時に緊急手術の術者として手術経験を積んで頂き、2年間で救急科専門医プログラムの続きを完結させ、卒後8年目終了後に救急科専門医・外科学会専門医の取得を目標とします。B, Cパターンはまずどちらかの専門医プログラムを終了させてから、次の専門医プログラムに進みます。相談しながら1番自分に合ったダブルボード取得パターンを選択して頂きます。
    次に、9年目から11年目までの3年間は、表3に示すA, B, Cの3コースから各自それぞれ興味のあるものを選択して頂きます。もちろん、これら以外にもやりたいことがあれば、可能な限り調整してキャリアアップに活かしてもらいます。また、希望があれば外傷手術のスキルアップのため、短期の国内留学・海外留学先を斡旋することも可能です。本コースにおけるこれまでの研究留学先を表4に示します。
    なお、この修練コースには卒後何年目からでも途中参加が可能です。ACSを目指す志ある若手外科医・救急医の皆さん、気軽に当センターへ連絡して下さい。スタッフ一同、心よりお待ちしています。

    <救急外科スタッフ(Acute Care Surgeon):2022年4月現在>上田健太郎、川嶋秀治、置塩裕子、國立晃成、中村有貴(当大学第2外科より出向)

  • 写真1:ERでの手術風景

    写真2:ICUでの手術風景

    グラフ1:当救命救急センターAcute Care Surgeonによる手術件数(過去16年間) グラフ2:Acute Care Surgeonによる胸腹部手術の分類(過去5年間)
表1:Acute Care Surgeon修練コース例(卒後9~11年目)
卒後年次研究施設研究内容
9~11年目 A. 当救急センター 当センター中心スタッフとして従事
学位取得のため研究(当大学)
海外外傷センターへ短期留学
B. 国内・国外留学学位取得のため研究に専念
C. 国内留学サブスペシャリティ領域専門医の習得
卒後年次/研究施設研究内容
9~11年目/A. 当センター
当センター中心スタッフとして従事
学位取得のため研究(当大学)
海外外傷センターへ短期留学
9~11年目/B. 国内・国外留学
学位取得のため研究に専念
9~11年目/C. 国内留学
サブスペシャリティ領域専門医の習得
表2:主な外科研修先病院

過去の外科研修病院

 和歌山日赤医療センター 済生会和歌山病院

 南和歌山医療センター  公立那賀病院

表3:救急科・外科ダブルボード取得パターン(3~8年目)
  • A

    救急科専門医 プログラム

    途中で 外科専門医プログラム(3年間)

    救急科専門医 プログラム 続きを継続

  • B

    救急科専門医 プログラム(3年間)

    外科専門医プログラム(3年間)

  • C

    外科専門医プログラム (3年間)

    救急科専門医 プログラム (3年間)

表4:主な研究留学先

過去の研究留学先

 タイ・コンケン外傷センターにOn the job trainingで短期海外留学

 京都大学大学院腎臓内科学に基礎研究のため国内留学

 大阪府立大学獣医臨床科学分野・高度医療学講座と共同研究

 当大学第1解剖学にて基礎研究

救急放射線(画像診断/IVR)研修Interventional Radiology

 昨今、内因性/外因性を問わず致死的となる急性/重症病態では、各専門治療へ繋げる救急画像診断と根本治療としての緊急IVR(Interventional Radiology)は益々重要な位置を占めてきています。このような救急放射線サブスペシャリティは救急医療全体においてもニーズが急速に高まっており、全国の救命救急センターで施設特性に応じた人材育成が行われています。

 当救命救急センターで救急放射線をサブスペシャリティとして選択した場合、

  1.  急性期方針に直結する適切な画像撮像プロトコル調整と緊急読影が行える
  2.  適応判断も含めた蘇生的IVRを行える(特に重症外傷)
  3.  院内放射線科との橋渡し役として円滑な救急放射線診療を行える

を重点的な目標としてトレーニングをします。

施設によっては止血TAEなど救急IVR手技のみを研修の中心とする場合もありますが、当救命救急センターでは「救急初期診療・重症患者管理において全人的なマネジメントを行える」Emergency Radiologist(救急放射線医)の育成を目指しており、土台としての救急画像診断を重要視しています。蘇生的TAEを中心としたIVR手技やその適応判断を円滑に行うには前提として全身の画像読影スキルが必須であり、施設の放射線科と共通言語をもって連絡調整を行う必要性からも、救急領域だけではないGeneral Radiologistとしての修練が重要となります。これには放射線科全般の専門研修が必要と考えており、院内や国内留学の放射線科で一定期間の放射線診療トレーニングをうけてもらうカリキュラムを基本コースとしています。
 また、画像診断・IVR研修で「解剖学的異常」という形態的側面から人体全身の理解を進めるとともに、救急医としてはICUで集中治療管理の修練も積んでもらうことになるため、両輪としての「生理学的徴候」つまり反対側の機能的側面からも病態理解を深められることが当センター救急放射線研修の特徴です。そもそもCTなど画像診断に依存しなくとも、身体診察や救急手技によって急性期マネジメントや救命に困らない臨床能力を基本としながら、あくまで+αとして放射線科スキルを用います。最終的には、高齢化が進む救急医療で遭遇する病態としては内因性病態や“Acute on Chronic”が大きな部分を占めることも考慮し、急性期/慢性期や内因性/外因性、癌/非癌、緊急度や重症度に依らず、救急医療を全方位的に見渡すことのできる医師像を理想としています。

 日本専門医機構の救急科専門医プログラムにおいても救急放射線は重要なスキル研修として認識されており、カリキュラム制と併用してトレーニングできるよう制度の柔軟化が進んできています。また当救命救急センターには既に、HCC-TACE治療を開発した和歌山県立医科大学放射線科やEmergency Radiologist育成の総本山である聖マリアンナ医科大学放射線科などでトレーニングをうけた救急医/集中治療医が複数名勤務しています。これら救急放射線スタッフとともに、放射線科でのアンギオカンファレンス参加や定期的な救急画像レビューなどで、入局直後からサブスペシャリティ研修の意識を保ちながら救急科専門医プログラムを進められることもメリットです。

<救急放射線スタッフ:2022年4月現在>米満尚史、柴田尚明、島 望、福井智也、渕上淳也(聖マリアンナ医科大学 放射線科)、三宅雄一(岸和田徳州会病院 放射線科)

整形外科研修Orthopedic surgery

日本における救命救急センターでの重症多発外傷治療は、近年診療の質が向上し、防ぎ得た外傷死(Preventable Trauma Death)は減少しています。外傷患者が社会復帰するためには救命救急医がpreventable trauma death(避けられた外傷死)を減少させ,さらに外傷整形外科医がpreventable trauma disability(避けられた外傷性身体障害)を減少させることが理想的である。外傷は重症になればなるほど管理は難しくなり,全身の様々な部位に障害や不具合が生じるためトータルマネージメントが必要となります. 当センターでは主に手術が必要な外傷を対象とし、重症外傷から単一骨折まで、幅広く扱っています。一般病院では数多く経験できない骨盤・寛骨臼骨折や上肢・下肢の関節内骨折を含めた複合骨折,軟部組織再建を必要とする開放骨折などの治療も経験することができます。可能な限り機能障害を少なくし社会復帰できる患者が増えることを目標にして日々精進しています. 当センターのコンセプトは、早期手術・早期社会復帰です。早期に各外傷部位に対し手術を行うことで、早期離床・早期リハビリテーションを行うことが出来、廃用の進行や合併症の発症を予防することが出来ます。また、当院は大学病院のため数多くの診療科がありバックアップ体制が充実しているため、濃厚で先進的な集中治療管理や心疾患や腎疾患などの持病の悪化を防止することが可能です。当院入院中は外傷整形外科医が一貫して診療にあたり、退院後も当院や外勤先の外来で中長期的なフォローアップを行っています。

 救急整形外科をサブスペシャリティとして選択された場合、

  1.  外傷初期治療法の習得
  2.  骨折治療法(AO法)の習得
  3.  脊椎骨盤外傷治療法の習得

が重点的な目標となります。

特に重度の脊椎脊髄損傷や骨盤外傷など一般病院ではなかなか見られない疾患も多数経験することが可能となります。脊椎骨盤外傷では近年低侵襲手術が全国で行われており、我々も独自の方法にて良好な成績をおさめています。一例を紹介します。

骨盤外傷症例 仙腸関節の脱臼が見られる

低侵襲に小皮切にて行った。 術後写真

左:術前 右:術後 良好な整復位が得られている。

現在、救急救命センターに常勤する外傷整形外科医は2人ですが、図のように手術件数は年々増加傾向にあります。業務内容は忙しいですが、雰囲気も良く楽しく仕事ができると思います。教育プログラムも1年〜3年まで幅広く対応が可能で、一般外傷症例のマネージメントから重度四肢外傷、脊椎骨盤外傷症例の対応まで学ぶことができます。スタッフ一同、心よりお待ちしています。


感染症内科Infection

 当院は日本感染症学会の連携研修施設として認定を受けており、感染症暫定指導医が在籍している当救急集中治療部では感染症内科のトレーニングを受けることができます。4年間の研修期間で感染症内科の専門医を取得することが可能です。当施設では救急外来から入院する市中感染症を豊富に経験できるほか、集中治療室に入室するすべての科の重症感染症を経験することができます。

 当施設での経験数が不足しがちな感染症のコンサルト対応、HIVや臓器移植後など免疫不全における感染症、渡航医学など感染症内科に特化した研修期間も設けて専門医として必要な知識、技術の習得を目指します。連携研修施設の日赤和歌山医療センター感染症科での院外研修のほか、希望に応じて他の施設での短期研修も積極的におこなっており、これまでにも神戸大学感染症科への短期研修に参加したことがあります。 救急集中治療での重症患者管理には感染症の幅広く深い知識が求められます。 サブスペシャリティ研修として当施設で感染症内科研修をおこなってみませんか?

〈日本感染症学会 暫定指導医〉宮本恭兵

内視鏡研修Endoscope

 当院は、和歌山県の基幹病院として、急性・慢性消化器疾患とも患者数が多く、 消化器の救急受診者数や救急搬送の症例、急性胆管炎や胆石性膵炎、 吐下血症例などが多いため緊急内視鏡検査の実施にも携われることが多いです。また、その他の急性疾患患者、ICU患者などの入院患者を受け持っていても、消化管出血に対応しなければいけない事例は少なくなく、 救急医として消化器内視鏡技術を持っておくことは非常に大きな武器となります。また、ICU研修を行えば、気管支内視鏡技術も習得でき、「管の出血」をコントロールできる救急医として大きな自信をつけることができます。当院は全ての内視鏡手技を経験できる施設であることから、 特に内視鏡専門医を目指すには非常に恵まれた施設であると自負しており、院内に各領域のスペシャリティがいるため安心して診療に従事できます。協力病院として、中江病院、阪南市民病院、公立那賀病院、済生会和歌山病院など近隣に内視鏡研修ができる病院は多く、バックアップ体制もしっかりしています。将来、消化器内科医、呼吸器科医を目指している方も、当教室で急性疾患全般を診られる自信をつけてからでも遅くありません。サブスペシャリティ研修として当教室で内視鏡研修をしたい方は是非御一報ください。

〈救急消化器内視鏡スタッフ:2022年4月現在〉 田中真生、中島 強、田中理夏子 田本花織(公立那賀病院)

内科研修Internal medicine

 全身を診れる医者になりたい、急性疾患に対応出来る力をつけたいと思い救急に入局し、はや10年が経ちました。現在、集中治療、内科救急を中心に診療にあたっています。幸いこれまでいろんな経験をさせていただき、迷いながらも自分で選択しながら目標を持ってやってこれていると思っています。

 私は、救急、集中治療を離れ、内科、消化器内視鏡の勉強を公立那賀病院で2年程度行いましたが、その内容を紹介させていただきます。

 救急診療では目まぐるしく患者の状態が変化していきます。私自身、救命のために全力を尽くすことの楽しさ、やりがいを感じていました。しかし、必ずしもいいことばかりではなく、重症疾患に対する治療後には様々な問題が起き、患者、家族の思いは様々で、一番患者にとっていい治療ができているのか、悩むことが多くなってきました。時には、どこかで迎えるであろう最期の時間をどのように作っていくのか、本人はどのように最期を迎えることを望んでいたのか、命を救うことだけが救急としての仕事ではないと強く感じるようになりました。

 自分にスキルが足りないことは当然ですが、急性期を全力で治療した患者がその後どうなっていくのか、また近年併存疾患を多数もっている患者さんが増えていますが、そう言った方々の人生においてどう付き合っていくのか、勉強したくなりました。 そこで、自分が課題としてあげたのは、患者を最後までみること、内視鏡というスキルを身につけることでした。

 研修先は消化器内科を中心とした、その地域の中核病院の一般内科でした。内視鏡を勉強する傍ら、内科医として自分が目標にする先生のもとで、これまで学べなかったことをたくさん学ぶことができました。糖尿病や高血圧をはじめとした慢性疾患の管理、癌診療、血液疾患、さらに患者とその家族と今後の選択をしていく過程、終末期医療など、これまで救急じゃないからと言い訳をしてみてこなかった疾患をじっくり診ることができました。救急医としてのスキルを磨く、ということも大事だと思いますが、地域に根付いた、全人的な診療を経験でき、大変有意義な時間を過ごせました。

自分の理想は以前から変わりません。救命のために全力で正しい治療ができる、しかし患者とその家族と一緒に、今後のことや急な決断に寄り添うことができる、そんな全身を診れる医師になることです。まだまだ未熟ですが、日々精進していきたいと思っています。

 当科で行うサブスペシャリティ研修では、自分で目標を決め、研修先を決めることができます。私のように、スキルだけではなく医師としての裾野を広げる研修も自分で考えて決めていくことができます。自分が思い描く医師像に近づくために納得のいく研修ができると思います。一緒に救急で頑張りませんか?

〈救急内科スタッフ:2022年4月現在〉田村志宣、宮本恭兵、中島 強、小川敦裕(橋本市民病院救急科)、稲田由佳梨

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