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臨床研修医教育

 救命救急センタースタッフが各専門科医師とともに、医師技能の基礎となる救急初療・重症患者管理について、下に示すような屋根瓦形式で卒後1~3年目の臨床研修医指導にあたっています。上級医・スタッフのバックアップ体制のもと、卒後3年目の先生は2年目に対し指導役となり、2年目はさらに1年目を指導していくシステムとなっており、臨床研修医は常に1年後の自分を想像しながらトレーニングを積んでいくことができます。

指導体制図

初期臨床研修(卒後1〜2年目)

 初期臨床研修医は、先ず他科ローテイト中の卒後1年目初期から、卒後2年目研修医・3年目後期研修医・救命救急センタースタッフの屋根瓦式指導体制のもとER夜間・休日当直帯勤務に従事(月に数回)します。1〜3次救急患者を収容する当救命救急センターで、感冒を含めたCommon Diseaseから多発重症外傷・CPAOAまで幅広く経験します。大学病院の特性を生かし、必要時に各専門科医師のバックアップを受けられることも大きな特徴です。

 1年目の初期6ヶ月で基本的な内科・外科研修ローテイトを終えた後、救命救急センターに3ヶ月間研修ローテイトし、前述の夜間・休日ER初療のみではなく日勤帯のHCU/ICU病棟管理を研修します。1人の初期臨床研修医が救命救急センター3ヶ月間での研修ローテイトで、厚生労働省が望む経験すべき緊急を要する病態・頻度の高い症状をほとんど網羅でき、Primary CareからCritical Careまで幅広く研修することが可能です。

 HCUローテイト(1.5ヶ月間)では共通床活用により常時40〜50人程度の救急主科患者が入院しており、6人程度の研修医で分担し主治医となります。各内科応援スタッフと救命救急センター外科系スタッフの全員で複合病態患者管理の指導にあたります。担当する患者さんの緊急手術(胸腹部外科・整形外科・脳外科)や各種インターベンション手技を経験でき、当直スタッフとともに平日準夜帯22時までの居残りと休日当直にも従事します。

 ICUローテイト(1.5ヶ月間)では6床の救命救急センター主科患者とともに4床の術後急性期を含めた院内他科重症患者を主治医担当し、HCUよりさらに重複・重症病態である患者の全身管理を学びます。ICUでは気管挿管・気管切開・中心静脈ライン/血液浄化ブラッドアクセス挿入・動脈圧ライン確保・胸腔ドレナージといった基本的な侵襲的手技が日常的に行われ、集中治療専従医指導のもと、担当患者のほぼ全ての手技について清潔領域で術者・介助者として参加します。また当直スタッフとともに平日準夜帯24時までの居残りと休日当直に従事し、ICUローテイト中に日勤帯のER初療も経験します。

後期臨床研修(卒後3年目)

 自分の専門領域を決定し救命救急センター/救急集中治療医学講座を含めた各専門診療科に入局後の卒後3年目に、さらに3ヶ月間ER初療に従事します。1年目初期からの夜間・休日ER初療、2年目までのHCU/ICUにおけるPrimary Care・Critical Care研修に続く、専門科医師となる直前の最後の総仕上げとも言えます。

 1~2年目と違い、救急隊のER収容要請・ホットラインや他医療施設の転送依頼などに対する初期対応から関わり、救命救急センタースタッフ・各専門科医師のバックアップをうけながら入院・帰宅の是非までを判断し、初期臨床研修医に対しては指導的立場ともなります。また専門科入局後のため、ERで自分の専門科的判断力・技能を発揮することも可能です。この時期のER初療従事は、自分が選択した専門領域・専門診療科の、救急医療・地域医療での立ち位置を再確認する機会にもなります。

 この「専門科入局後に大学病院での救急初療」を経験した後期臨床研修医の先生たちを、我々救命救急センタースタッフは今後の(救急だけではない)和歌山県地域医療の根幹となる大切な宝と考えています。

 彼らはこの3ヶ月間で、大学病院とそれ以外の病院、日勤帯と夜勤帯、平日と休日、救急初療と専門科治療、慢性病態と急性転化、病態と疾患、といった、様々な診療ギャップを肌で感じます。救急医療というよりも和歌山県全体の地域医療というものを考えずにいられない場所の最前線で勤務します。いずれ和歌山県(あるいは他県でも)各地に散らばって専門科スキルを習得し成長していく過程で、必ずこれらのギャップを経験します。我々は、各診療専門科に戻っても、各種の診療ギャップや患者さんの病状・意志なども勘案しTPOに応じた「(最大限の医療が困難でも)最善の地域医療」をバランスよく提供できるようになるためのトレーニングをしてもらっているつもりで、彼らの指導にあたっています。

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