和歌山県立医科大学 内科学第一講座は一般内科診療、糖尿病・内分泌代謝内科を専門とする講座です。

和歌山県立医科大学 内科学第一講座

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糖尿病について

糖尿病診療について

糖尿病とは、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高いままの状態が続く病気です。近年の食生活の欧風化や運動不足など生活習慣の変化により、糖尿病は増加の一途をたどり患者数は約900万人にのぼると推定されています。高血糖状態が長くつづくと、目、腎臓、神経さらには心臓や脳の動脈血管が悪くなり、失明、血液透析、壊疽による足の切断、心筋梗塞や脳梗塞がおこります。これらが糖尿病合併症で生活の質(QOL)は著しく低下し、生命も脅かされることになります。糖尿病治療の目的は合併症を予防し、健康な人と変わらないQOLと寿命を維持することです。そのためには、良好な血糖コントロール状態を維持することはもちろん、血圧、体重、血清脂質のコントロールを行うことが重要です。

当科は全国でも屈指の糖尿病研究実績と、最先端の充実した診療体制を有し、個々の患者様の病態や合併症を的確に評価し、最適の医療を提供しています。また、外来で糖尿病診療に当たっているスタッフの大部分は糖尿病専門医です。糖尿病診療の特色を以下に箇条書きいたします。

診療をご希望の方はかかりつけ医に紹介状を書いていただければ、当院予約センター(073−441−0489)で予約することができます。直接に来院していただいても診察いたしますが、長時間お待ちいただく場合があります。

特色 @ 充実した糖尿病療養指導体制

糖尿病教室は平日の午後から毎日実施しており、医師、歯科医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士、臨床検査技師が講義を担当しています。入院患者さんはもちろん、外来患者さんも参加をお待ちしております。外来での療養指導の一環として、フットケア外来も実施しています。病態栄養治療部との緊密に連携しており、糖尿病栄養指導は毎日実施されています。また、外来診療の待時間に糖尿病教育ビデオ(DVD)を放映しているほか、実際に療養指導を担当しているスタッフが「療養のてびき」を作成し、院内の売店で販売しています。

特色 A クリニカルパスによる教育入院システム

糖尿病克服のためにはまず糖尿病を知り、療養法を習得する必要があります。そのために教育入院には合併症精査、インスリン自己注射、血糖自己測定および栄養指導を中心とした1週間コース、ある程度の血糖コントロールの改善を目的とする2週間コースが運用されています。特に手術の前には、血糖値を改善させるための術前コントロール入院をお勧めします。


特色 B 最新の糖尿病検査システム

持続的血糖モニタリング(CGM)システムによる精密な血糖変動の評価、神経伝導検査と各種自律神経機能検査を組み合わせた独自の総合的神経機能評価システムによる詳細な糖尿病神経障害の評価を行っています。また、インスリンを分泌する力はグルカゴン負荷試験、尿中Cペプチド測定で、インスリンの効き具合はHOMA-1R法という方法で日常的に評価しています。さらに、入院・外来を問わず簡易神経機能検査、早期動脈硬化症の指標である頸動脈超音波検査や脈波検査(CAVI)を専属の臨床検査技師が検査しています。

近年、新しい経口血糖降下薬の登場によって血糖管理の改善が認められる一方で、糖尿病患者の高齢化が進行しており、糖尿病診療のあり方にも変化が求められております。昨年の糖尿病学会からのRecommendationにもありました通り、高齢者では低血糖時の自覚症状が表在化しづらいことから低血糖の存在自体を認識し難い上に、重症低血糖を契機にADLの低下を認める症例の報告が増えております。特にSU剤やインスリンを使用している症例では、低血糖の有無の確認のため、定期的・経時的なグルコースモニタリングが望ましいとされますが、現実的には高齢者が頻回の自己血糖測定を行うことは困難であり、多くの症例で特に夜間の低血糖が見過ごされています。頻回の低血糖が認知機能の低下に関与することも示唆されていることから、これまでも何らかの対策が求められてきました。 これまでのグルコースモニタリングの方法は、原則自己血糖測定機による測定と従来のCGMによる評価のいずれかに限定されていましたが、今回新しく「フラッシュグルコースモニタリングシステム(FGM)」というものが導入されました。これはアボット社の「リブレ」というデバイス(下記)ですが、上腕にセンサーを装着し、持続的に間質中のグルコース濃度を2週間持続的に測定します。センサーに専用の端末を下記の様にかざすと、その時点のグルコース濃度がその場で表示されるという機能となっております。また、2週間の測定後には専用ソフトで解析すれば、簡単に下記のようなグルコース濃度の変動曲線が一覧できます。これまでの自己血糖測定器やCGM・CSII/SAP機器に比べて、操作とセンサー穿刺が非常に簡便で、従来のCGMやSAPで要したSMBG機による補正・較正が必要ないことが大きな魅力となっています。 このデバイスを利用いただければ24時間を通した血糖変動を確認できることから、夜間を含めた低血糖の有無を評価いただいた上で、薬剤の選択や用量調節にお役立ていただければ、糖尿病患者への治療の質の向上に大きく寄与するものと考えられます。 先生方の日常臨床における糖尿病診療にも利用できる機器でもあり、以上情報提供を行わせていただきました。 診療報酬上の問題として専門医等の制限が設けられる可能性もありますので、自施設での運用が困難な場合は、当機器利用を含め当院糖尿病、内分泌代謝内科(第一内科)までご紹介いただければ幸いです。また、糖尿病診療における問題やご意見・ご要望等ありましたら、お気軽にご連絡ください。

特色 C 糖尿病地域連携診療グループによる地域連携診療

かかりつけ医と専門医が共同して診療にあたる糖尿病診療地域連携システムの構築・普及につとめています。これは、日頃はかかりつけ医に通院し、6カ月毎に当科を受診し栄養指導や、腎臓、神経、動脈硬化の検査などを行い専門医が説明し、今後の治療についての意見などをかかりつけ医に報告するシステムです。当科を中心とする地域連携グループにはおよそ150名の先生に参加していただいており、地域連携を推進しています。毎月曜日の午後に糖尿病地域連携診療のための診察枠を設けています。

特色 D 糖尿病患者の友の会「あおい糖友会」

糖尿病に関する正しい知識の普及啓発、患者およびその家族への教育指導、国民の糖尿病の予防、健康増進への調査研究を目的として、患者、家族および医療関係者を中心に結成された全国組織として日本糖尿病協会があります。当院に通院中の患者様を中心とする友の会は「あおい糖友会」という名前で、歩こう会、講演会、座談会など様々な活動を行なっています。写真は平成23年9月に高野山で行った歩こう会の模様です。年会費は3000円で"さかえ"という雑誌を毎月受け取ることができます。(郵送希望の場合はプラス1000円が必要) 多数の皆様のご入会をお待ちしております。

また、当科では日本糖尿病協会和歌山県支部、小児糖尿病つぼみの会の事務局を担当しており、講演会、歩こう会、サマーキャンプなど様々な活動の支援も行なっています。

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