和歌山県立医科大学附属病院 紀北分院

Wakayama Medical University KIHOKU HOSPITAL
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研究紹介
1.川崎病の免疫に関して(学位論文)
川崎病患児の尿中にネオプテリンという物質が多く、川崎病の重症度と比例する事を示した。ネオプテリンは血液中の単球という名の白血球の一種から分泌されており、川崎病の免疫では単球が重要な働きをしている事を明らかにした。また川崎病の合併症(心臓の冠動脈拡張)の発症に単球から産生される一酸化窒素が関与している可能性を指摘した。
(川崎病における冠動脈障害と尿中ネオプテリン、日児誌 91:705-9, 1987)
(Urinary Neopterin as a predictive Marker of Coronary Abnormalities in Kawasaki Syndrome, Clin Chem 39: 600-604, 1993)
(川崎病の病態に関するネオプテリンの意義、和歌山医学 43: 451-460, 1992)
(High urinary Nitrate and Nitrite Excretion in Kasasaki Syndrome, Kawasaki Disease: Proceedings of 5th International Kawasaki Disease Symposium 272-76, 1995)
(The augmented Productions of Neopterin and Cytokines from Macrophages/Monocytes in vitro, Pteridines 7: 72-76, 1996)
(Nitric Oxide and Aneurysm Formation in Kawasaki Disease, Acta Paediatr 86: 470-3, 1997)
2.母乳哺育の促進
産科病棟でどのようにしたら、母乳育児をスムーズに進められるかを検討した。また産科退院後どんな理由で母親が母乳育児を断念するかも検討した。
(生後1か月の母乳哺育に影響する産科入院中の諸因子、小児保健研究 53:655-60, 1994)
(母乳栄養で退院した新生児が1か月時に人工・混合栄養になった理由、小児保健研究 54: 457-62, 1995)
(新生児の授乳開始時期と生後1か月の母乳哺育率、小児保健研究 56: 84-87, 1997)
3.母乳分泌と一酸化窒素
(1)母乳中に一酸化窒素(NO)の代謝産物(硝酸塩・亜硝酸塩)が多く、またNO産生時の補酵素ビオプテリンとその前駆物質ネオプテリンも多量に含まれていることを証明した。さらにNO代謝物の母乳中濃度と母乳分泌量が比例する事から、乳房中でのNO産生が母乳分泌に関係する可能性を指摘した。母乳分泌とNOの関係を指摘したのは、この研究が世界ではじめてである。
(The high Concentration of Biopterin in Breast Milk and it's Absorption during the Neonatal Period, Pteridines 6: 168-72, 1995)
(母乳哺乳児の総ビオプテリン摂取量と血中濃度、日児誌 99: 540-44, 1995)
(Nitric Oxide may trigger Lactation in Humans, J Pediatr 131: 839-43, 1997)
(2)乳房中の一酸化窒素合成酵素
授乳中の大黒ネズミ(ラット)の乳房中にNO合成酵素がある事を組織を染色して証明した。乳房中のNO合成酵素の証明は世界ではじめて。
(The Presence of Nitric Oxide Synthase in the Mammary Glands of Lactating Rats, Pediatr Res 44: 197-200, 1998)
(3)母乳哺乳児の胃の中の一酸化窒素
亜硝酸塩(一酸化窒素代謝産物)と塩酸を混ぜるとNOが発生する。亜硝酸を多く含む母乳を飲んだ乳児の胃の中にNOが発生している事を、胃内ガスを採取して証明した。胃内のNOが胃の平滑筋を弛緩させ、粘液の分泌を促進させている事が考えられた。乳児の胃内にNOがある事を証明したのは、世界で初めて。
(Non-enzymatic nitric oxide generation in the stomachs of breastfed neonates, Acta Paediatr 88: 1053-5, 1999)
まとめ:
(ミルクのさらなる母乳化へ、日本臨床栄養学会雑誌 21;71—77、2000)
(母乳とNO、周産期医学 34: 1367-70, 2004)
4.乳児の舌小帯
乳児の舌の裏面に縦に張っている膜(舌小帯)について研究した。舌の1/2より長い舌小帯を持つ児は、健康成熟出生児の3.93%に見られた。舌小帯の長い乳児は新生児期および2歳までに明らかな異常はなく、舌小帯の短い児と比較しても生後1ヶ月時の母乳哺育率に差はなかった。一部の人々が切断すべきであると主張する舌小帯であるが、切断する必要がある舌小帯は非常に少ない事を明らかにした。
(舌小帯と母乳哺育 ー病院をベースにした前方視的検討ー、小児保健研究 58: 665-671, 1999)
(舌小帯と母乳哺育、チャイルドヘルス 3.4: 37-39, 2000)
5.母乳児の血便
目で見てわかる血便をした生後4ヶ月までの母乳児を研究した。母乳哺乳児の血便の原因は従来、アレルギー性腸炎やリンパ濾胞増殖症(腸内のリンパ腺の腫れ)が指摘されていた。今回血便児の大便の培養検査から下痢原性大腸菌(O-1, O-125, O-25など)が原因である可能性を初めて指摘した。
(大腸菌による散発性下痢症が疑われた乳児の検討、小児保健研究 63: 558-62, 2004)
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