華岡青洲は、外科医としての技術を発揮するために、独自に実験を重ねてマンダラゲ(朝鮮朝顔)を使った麻酔薬「通仙散」を完成し、1804年10月13日に全身麻酔下に乳がん摘出術に成功した。これは世界で初めて全身麻酔を行ったとされるモートンのエーテル麻酔より約40年も前のことである。今から200年も前のことである。

青洲の一体どこが偉いのか?

 患者を押さえつけ、悲鳴と絶叫の中で手術をするということが当たり前の時代、「麻酔」という概念すらなかった時代に、患者の苦痛を取り除いて手術を行ったというところに偉業がある。外科医としてのCureと、疼痛管理というCareを同時に行ったというところが、当時として最大の偉業である。「治療」と「ケア」のバランスをとって医療を行ったことである。