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産科・婦人科学講座

教室概要

私たちの教室は昭和23年に初代の久保健太郎教授により開講され、昭和45年に2代目の一戸喜兵衛教授、昭和52年に3代目の仲野良介教授、平成12年に4代目の梅咲直彦教授、そして平成22年4月より5代目として井箟一彦教授に引き継がれている。当教室では、エビデンスに基づく最高レベルの産科・婦人科の診療を提供し地域医療に貢献するとともに、教育、研究にも力を注いでいる。

臨床概要

産科領域

当教室は附属病院総合周産期母子医療センターで母体胎児部門の診療を担当しています。母体胎児集中治療室(MFICU)3床と一般産科病床22床を有し、妊娠22週以降の切迫早産・前期破水、ハイリスク合併妊娠、多胎妊娠、分娩時の大量出血や産科救急疾患などあらゆる母体搬送に24時間体制で対応しています。遠方からの緊急搬送の依頼に対しては、産婦人科の医師が救急部の医師・看護師と同乗してドクターヘリによる母体搬送も行っています。当院の分娩数は年間約600件で、地域の要請に応える為に県内在住の方の正常分娩も可能な限り受け入れるようにしております。2006年から開始された周産期(母体)専門医制度に基づく母体胎児専門医の育成にも努めており、平成27年12月時点で当教室の母体胎児専門医は4人となっています。

婦人科・生殖内分泌領域

当教室には日本婦人科腫瘍学会専門医が3人在籍し、子宮頚癌・子宮体癌・卵巣癌等の婦人科悪性腫瘍の治療を中心に、子宮筋腫・卵巣良性腫瘍・子宮内膜症などの婦人科良性疾患、卵巣機能障害や更年期障害などの生殖内分泌領域の治療にも力を注いでおり、県内外から多数の患者さんをご紹介頂いています。婦人科悪性腫瘍根治手術、抗がん剤による化学療法および放射線療法については、最新のガイドラインおよびエビデンスに基づいた治療を行っています。婦人科良性疾患の手術療法に際しては症例に応じ腹腔鏡および子宮鏡手術で対応しています。また胞状奇胎に代表される絨毛性疾患は「絨毛性疾患取扱い規約」の改訂にも中心的に関わられ、臨床治療経験が豊富である井箟一彦教授の外来に多数の患者さんをご紹介頂き治療を行っています。なお、体外受精-胚移植は当科では対応しておらず、他の専門施設をご紹介させて頂いています。

スタッフ紹介(2017年4月現在)

役職 氏名 専門分野 学会認定
教授 井箟 一彦 婦人科腫瘍の治療
婦人科癌手術
絨毛性疾患の治療
日本産科婦人科学会専門医・指導医
母体保護法指定医
日本婦人科腫瘍学会専門医・指導医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
病院教授
(総合周産期母子医療センター)
南 佐和子 婦人科内分泌疾患の治療
胎児疾患の管理
周産期疾患の治療
日本産科婦人科学会専門医・指導医
母体保護法指定医
日本婦人科腫瘍学会専門医
日本内分泌代謝科専門医
日本周産期新生児医学会 母体・胎児専門医・指導医
臨床遺伝専門医
新生児蘇生法「専門」コースインストラクター
講師 八木 重孝 周産期疾患の治療
産科超音波検査
婦人科疾患の治療
日本産科婦人科学会専門医・指導医
日本周産期新生児医学会 母体・胎児専門医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
講師 馬渕 泰士 婦人科腫瘍の治療
周産期疾患の治療
日本産科婦人科学会専門医・指導医
母体保護法指定医
日本婦人科腫瘍学会専門医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
助教
(周産期医療
支援学講座)
太田 菜美 周産期疾患の治療
婦人科疾患の治療
日本産科婦人科学会専門医・指導医
母体保護法指定医
日本周産期新生児医学会 母体・胎児専門医
臨床遺伝専門医
助教 城 道久 周産期疾患の治療
婦人科疾患の治療
日本産科婦人科学会専門医・指導医
日本周産期新生児医学会 母体・胎児専門医
母体保護法指定医
新生児蘇生法「専門」コースインストラクター
ALSO認定インストラクター
助教
佐々木 徳之 周産期疾患の治療
婦人科疾患の治療
日本産科婦人科学会専門医
助教
(総合周産期母子医療センター)
山本 円 周産期疾患の治療
婦人科疾患の治療
日本産科婦人科学会専門医
助教
(周産期医療
支援学講座)
溝口 美佳 周産期疾患の治療
婦人科疾患の治療
日本産科婦人科学会専門医
学内助教/大学院生 八幡 環 周産期疾患の治療
婦人科疾患の治療
日本産科婦人科学会専門医
学内助教 瀧口 義弘 周産期疾患の治療
婦人科疾患の治療
日本産科婦人科学会専門医
学内助教 三谷 尚弘 周産期疾患の治療
婦人科疾患の治療
日本産科婦人科学会専門医
学内助教/大学院生 岩橋 尚幸 周産期疾患の治療
婦人科疾患の治療
学内助教 中田 久実子 周産期疾患の治療
婦人科疾患の治療
学内助教
(後期研修医)
内芝 舞実 周産期疾患の治療
婦人科疾患の治療
学内助教
(後期研修医)
松下 彩葉 周産期疾患の治療
婦人科疾患の治療
学内助教
(後期研修医)
久米川 綾 周産期疾患の治療
婦人科疾患の治療
学内助教
(後期研修医)
実森 昇子 周産期疾患の治療
婦人科疾患の治療
学内助教
(後期研修医)
平山 純也 周産期疾患の治療
婦人科疾患の治療
学内助教
(後期研修医)
松川 仁登美 周産期疾患の治療
婦人科疾患の治療

教育概要

1.学部生への教育

学生に対する教育は医育機関として重要なことと考えています。医学部4年生に対しては合計28回の系統講義・PBLを教員が分担して行い、周産期・婦人科腫瘍・生殖内分泌に関する医学的な理解が得られるよう講義しています。医学部5・6年生の臨床実習では外来・病棟・手術室での実際の臨床現場に触れることで、4年生で講義を行った産科婦人科学への理解を更に深めてもらうと共に、産科婦人科学に関連した英語論文を抄読する機会を与え、医師として必要な英語論文を読む力を養っています。また保健看護学部および助産学専攻科の産科学および婦人科学に関連した講義の一部を産婦人科教員が分担し、看護師・保健師・助産師育成教育の一端も担っています。

2.初期研修医・助産師・看護師への教育

現行の初期臨床研修制度では産婦人科研修は必修から選択必修となり、産婦人科をローテートする研修医の人数は少なくなりましたが、年間数人の研修医が当科での研修を選択しています。研修期間中は指導医と共に主治医として産科および婦人科の患者さんの治療にあたってもらい、産婦人科の醍醐味と重要性を理解してもらっています。総合周産期母子医療センターとしてハイリスク妊娠・分娩に関わる助産師および婦人科手術・化学療法に関わる看護師への教育・育成も重要なものと考えています。周産期・婦人科に関連した学習会や高度医療人育成センター・スキルスラボが所有する超音波シミュレーターを用いた胎児超音波実習などを定期的に行い、チーム医療としてのレベル向上に努めています。また、産科婦人科学教室と周産期医療支援学講座が共催で平成25年よりALSO(Advanced Life Support in Obstetrics)(産科救急シミュレーションコース)を定期的に開催し、和歌山県内の産婦人科医師・救急部医師・助産師・研修医への産科救急対応へのレベル向上に努めています。

3.大学院生への教育

当教室では、若手医師に対して大学院医学研究科博士課程への入学を積極的に推奨しています。大学院在籍期間のうち約2年間は臨床から離れて、学内外の基礎研究室において研究に打ち込める環境とし、トップジャーナルに掲載されるような医学論文が発表できるよう指導しています。リサーチマインドを養って客観的・科学的に考え判断する力を身につけることは、臨床医としてのキャリアアップにとって非常に重要であると考えています。

研究概要

教室の主な研究は婦人科腫瘍学、周産期医学、生殖内分泌学である。

1.婦人科腫瘍学分野

  1. 婦人科癌における腫瘍免疫寛容機構の解明と新規免疫療法の開発
    癌が増殖" 進展するためには腫瘍微小環境内での宿主免疫監視機構に対する免疫寛容の獲得が必須である。これらの免疫寛容誘導分子の同定および機能解析をDNAマイクロアレイ法やサイトカインアレイ法などを用いて、分子レベル、細胞レベルおよびマウスモデルにおいて行っている。また同定した免疫寛容分子の阻害と抗癌剤の併用による新規の免疫・化学療法の開発を目指している。
  2. 婦人科癌の新規予後規定分子マーカーの同定と新たな標的治療の開発
    我々はこれまでにIndoleamine 2,3-dioxygenase (IDO)やインヒビン・アクチビンなどの分子が婦人科癌患者の進展に関与し予後因子となることを報告してきた。さらなる婦人科癌の予後規定分子の同定と、その発現量に基づいた治療の個別化やそれらをターゲットとした新規標的治療の開発を行っている。
  3. 卵巣癌腹膜播種および抗癌剤耐性メカニズムと新たな治療法の開発
    卵巣癌腹膜播種、癌性腹膜炎の進展における癌細胞と宿主細胞間の相互作用や免疫ネットワークおよび抗癌剤耐性獲得機序の解明とこれらに着目した新たな治療法の開発を行っている。
  4. 絨毛性腫瘍の診断と新たな化学療法レジメン開発に関する研究
    絨毛性疾患患者の治療法に関する基礎的・臨床的研究を行っている。

2.周産期医学分野

  1. 妊娠高血圧症候群(PIH) および胎児発育不全(FGR)の病態解明と新たな治療法開発のための基礎的・臨床的研究
    PIH症例の膨大なデータベースを基に、その発症時期や胎児発育不全(FGR)合併の有無などのサブグループに分類し、母体および児のoutcomeに関連する予後因子の解析や、新たな予知因子の探索を行っている。さらにそれらの患者の胎盤の病理学的解析、免疫組織化学染色や分子生物学的解析などにより、PIHやFGRの病態を反映する新規分子の解析を行っている。
  2. 胎盤形成におけるトロホブラストの浸潤制御と母子免疫寛容機構の解明  
    胎盤トロホブラストの培養系モデルを用いて、酸素環境や液性因子および母体側免疫細胞による制御機構の解明と病態への関与に関する研究を行っている。

3.生殖内分泌学分野

  1. 卵巣機能や子宮内膜の調節機構の解明
    卵巣および子宮内膜の周期的変化における性ホルモン、種々の増殖因子(インヒビン・アクチビンなど)、およびコラーゲンなどの細胞外マトリックスによる制御機構と病態における役割に関する基礎的・臨床的解析を行っている。